彩・きもの通信

知識を深める

きもの種類とT・P・O

2021.01.14

きものT・P・O

きものには長い歴史があり、昔からのしきたりや様々な約束事があります。
約束ごとの基礎となるのが「きものの格」であり、「格」は布地の材質や柄付け、紋などにより分けられます。また、きものの種類によって礼装、正装、外出着、普段着と装う場所や装い方が決まっています。
T・P・Oにあった装いをするためにはこの「きものの格」を理解することが大切です。

きもののT・P・Oとは・・・
Tは時間というよりは季節、
Pは行く場所や相手、
Oはどういう目的の集まりか、
ということです。


-きものの格の分け方―

❖ 礼装

冠婚葬祭や格式のある公的な儀式、祭典での装いです。

礼装
種類
場所・目的 長襦袢 帯揚げ 帯締め 履き物
留袖 ミセス第一礼装
結婚式・仲人
丸帯
袋帯
白羽二重
白縮緬
白紋綸子
白絞り
紋綸子
白・金銀
組みひも
金・銀佐賀錦
・布・革製
色留袖 ミス
ミセス礼装
結婚式
袋帯 白羽二重
白縮緬
白紋綸子
白または
きものの色に
合わせる
白または
きものの色に
合わせる
金・銀佐賀錦
布・革製
振袖 ミスの第一礼装 丸帯
袋帯
絞りやぼかし
羽二重・紋綸子
総絞り
綸子
金銀糸入りの
丸組・平組
金・銀佐賀錦
ビーズ
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— 黒留袖

黒留袖はミセスの第一礼装で、黒字のきものに五つ紋付きの裾模様とされています。
振り袖の長い袖を切り、「袖を留めた」ことから留袖という名がついたと割れています。黒留袖を着るのは結婚式や披露宴に列席する新郎新婦の母親、仲人婦人、親族です。

生地は一越縮緬が多く、染め抜き五つ紋の日向紋を付け、衿、袖口、裾、振りが二枚重ねに見えるように、「比翼仕立て」になっています。
帯は古典、有職、吉祥模様などの格調高い袋帯を用います。

— 色留袖

色留袖は紋のついた裾模様で黒地以外のきものです。
五つ紋付きは黒留袖と同格になり、白の比翼をつけて第一礼装として用います。
三つ紋や一つ紋にする場合は、比翼仕立てにせず、白や同系色び重ね衿を用いて、華やかさを出します。
生地は縮緬や紋綸子などで格調のある袋帯を用います。

— 大振袖(本振袖)

ミスの第一礼装です。
袖丈が三尺(約115cm)と、足のくるぶし近くまであります。
生地は古代縮緬、紋綸子、緞子などを用い、総絵羽模様の柄付けに、格の高い袋帯をしめます。結婚披露宴の他に、成人式、正式なレセプションなどに用いられます。


❖ 正装

冠婚葬祭において、装う人の立場や状況によって、装い方が変わります。
礼装ほど格式ばらない結婚披露宴や各種パーティー、お茶会などの装いです。

正装
種類
場所・目的 長襦袢 帯揚げ 帯締め 履き物
訪問着 年始やパーティ
改まった訪問
・卒入学
袋帯 紋付きの場合は白
紋綸子・縮緬
白または
きものの色
に合わせる
白または
きものの地
に合わせる
金・銀佐賀錦
無地エナメル
色無地 お茶会
入園・卒入学
袋帯 紋綸子・縮緬
あわい色合いや
ぼかし
白または
きものの色に
合わせる
金銀糸入りの
丸組・平組
金・銀佐賀錦
無地エナメル
附下 訪問
パーティー
袋帯
九寸帯
紋綸子
縮緬
白または
きものの色
に合わせる
金銀糸入りの
丸組・平組
金・銀佐賀錦
無地エナメル
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— 中振袖

現在、ミスの礼装と言えば中振袖になり、袖丈の長さが二尺五寸(約95cm)となります。総模様以外に無地や小紋的な柄ゆきがあり、成人式やパーティー、初釜などに用いられます。

小振袖は袖丈が二尺(約75cm)と中振袖よりも短く、訪問着よりも長い丈となっています。お茶会や気軽なパーティーなどに用いられます。

— 訪問着

ミス、ミセスの区別なく着られる絵羽模様のきものです。
きものの格は、第一礼装に次ぐもので、三つ紋付の色無地と同格となり、正装として用いられます。
改まった場合には、金・銀糸の礼装用の帯を用いますが、紬などの趣味性の強いもう紋着にはしゃれ袋帯を用います。

— 色無地

色無地は紋綸子や縮緬などの白生地に黒以外の色に柄無しで染めたものです。
慶弔両用に用いる場合は、雲、波、流水、紗綾形の地紋や無地で紫系、ブルー系、グレー系など寒色系の地色にします。
紋付の色無地は、礼装用の袋帯や格の高い名古屋帯を締めると、結婚披露宴やパーティーなどに、紋をつけない場合は、名古屋帯を合わせると、幅広く着られます。

— 付け下げ(附下)

付け下げは、訪問着と同じように模様づけた「付け下げ訪問着」と、総柄の「付け下げ小紋」の二種類があります。ミス・ミセスともに正装から外出着まで、幅広く着られます。


❖ 外出着

改まった訪問や会食、観劇などの外出の際に用いるきものです。

外出着
種類
場所・目的 長襦袢 帯揚げ 帯締め 履き物
江戸小紋 お茶会
観劇
およばれ
袋帯
九寸
しゃれ帯
あわい色合いや
ぼかし
部分絞り
綸子
組みひも エナメル
友禅小紋 名古屋帯
絞り着尺 お茶会
観劇・お呼ばれ
綴・九寸帯 あわい色合いや
ぼかし
白または
きものの色に
合わせる
金銀糸入りの
丸組・平組
エナメル
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— 江戸小紋

江戸小紋の武士の裃の模様として発達した一式染めの細かい柄ゆきのきものです。
生地は一越縮緬が多く、背に縫い紋をつけると無地と同格となります。鮫・行儀・通し、万筋などたくさんの柄があり、着る範囲の広いきものです。

— 小紋

きもの全体に同じ模様を染めたきものです。
友禅、紅型、更科、藍染、絞り、ろうけつ染めなどあらゆる染織技法のものがあります。


❖ ふだん着(趣味のきもの)

気軽な外出や訪問、お稽古事などに着用するきものです。

ふだん着
種類
場所・目的 長襦袢 帯揚げ 帯締め 履き物
大島紬 観劇
旅行
染めや織りの
名古屋帯・しゃれ帯
小紋柄
絞り
縮緬の無地や
柄物
組みひも かかとの低いもの
エナメル
結城紬
黄八丈 小紋柄 縮緬
趣味の紬
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— 紬(つむぎ)

真綿から紡ぎだした紬糸で織られたきものです。
素朴で独特の風合いがあり、軽くて丈夫です。
紬は大変種類が多く日本全国のあらゆる地方で織られています。
代表的なものに結城紬や大島紬があり、その他には塩沢紬・十日町紬・黄八丈などがあります。従来紬はふだん着として、礼装には用いられませんでしたが、現在では結城紬の無地や大島紬の訪問着など気軽なパーティーに外出着として着られています。

— ゆかた(浴衣)

夏のふだん着として暑い日の夕涼みや盆踊り、湯上がりに着られます。生地は木綿の他に絹や麻などがあります。

ふだん着にはその他にウール、木綿、化学繊維などがあります。


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