目次
山道を登りながらこう考えた。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。
意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい・
略・・越す事のならぬ世が住みにくければ、住みに
くいところをどれほどか、寛容(くつろげ)て束の間でも
住みよくせねばならぬ。・・・・・
ここに詩人という天職ができて、
ここに画家という使命が降りる。・・・
あらゆる芸術の士は人の世を長閑にし、
人の心を豊かにするが故に尊い。
夏目漱石
想像を超えるような事態に見舞われ、まさに波乱万丈の2020年が締め括られようとしています。
戸外の空気を満喫できず、季節感も感じない間々に只々、マスメディアの報道に一喜一憂、心が不穏な日々の中、時が流れ過ぎた一年でした。そんな中、自分自身を見つめ直す良い機会でもありました。
近代文学の頂点たる夏目漱石の忌日のある十二月、近い先達の文章に触れ、その知識に新しさを発見できる気がします。冒頭の箇所が多くの共感を得て、有名ですが「越す事のならぬ人の世が生きにくい」から「芸術が人の心を豊かにする」という結論が「不要不急」の言葉の陰で見えなくならないようにと。
普段、落ち着き払っている禅師も走るほど忙しい月の意。
『暦便覧』では「雪いよいよ降り重ねる折からなれば也」とあるが。
1941年(昭和十六年)日本海軍のハワイ真珠湾攻撃により三年半に及び
多くの犠牲をもたらした戦争の火ぶたが切られた。現在は憲法に基づく
最後の開戦記念日。
夏目漱石【1867~1916】の忌日。新宿区牛込生まれ。『吾輩は猫である』で
小説家に。東大教授を辞し、朝日新聞入社後、『三四郎』『それから』『門』で人間の利己
主義を感情を抑えた文体で展開、「彼岸過迄」「行人」「心」の三部作刊行。四十九歳で病没。
雑司ヶ谷霊園に墓。漱石山房記念館が平成29年に新宿区早稲田に開館。当時の生活空間を館内に再現。
没後百五年を経ても古さを感じさせない世界的な文学作家。
ダイナマイトの開発で巨万の富を築いたノーベル【1833~1896】の命日にスウェーデンのストックホルム
で毎年行われるが、今年はテレビ中継。
高輪泉岳寺と両国吉良邸跡地で開催される。1748年に大阪で初演された『仮名手本忠臣蔵』で有名に。
赤穂浪士討入の日。今年は中止決定。
一年で最も夜が長く、太陽の力が一番弱まる日。この日を境に再び力を甦ることから、太陽が生まれ変わる
日と捉えて、厄払いをする。
キリスト降誕の前夜祭。キリスト教国は、クリスマスは家族で過ごす日とされているが、近年はイルミネーションを眺めに街に繰り出す。
西暦336年にイエス・キリストの降誕の日と決定されたが、確証はなくローマの冬(太陽の祝日)と結び附けられた。1874年に日本初のクリスマスパーティ
1873年(明治6)より官庁の公休日を1月1~3日、12月29日~31日。
元旦に、年神様(新年の神様)が一年の幸福を各家庭にもってくるので、年末大晦日は年神様を寝ないで待ち、
日暮れ(一日の境を日没の時としていた)とともに新年を迎え、神社で大祓を行い、罪や穢れを清める為「除夜の鐘」を鳴らした。
1960年 詞 横井弘 曲 中田喜直
「NHK歳末たすけ合い運動」の一環で作られ、ザ・ピーナッツの歌唱で発表された。TV番組で盲学校の生徒と合唱され話題に。歌詞は人間を励ます趣旨。ベギー葉山・ダークダックス、倍賞千恵子等がカヴァー。
中田【1923~2000】は「ちいさい秋みつけた」「めだかの学校」尾瀬の水芭蕉が浮かぶ「夏の思い出」などで有名。父は「早春賦」で知られる作曲家の中田章、兄はファゴット奏者の中田一次。横井【1926~2015】は「哀愁列車」「あざみの唄」「下町の太陽」「おはなさん」など戦後歌謡曲を多く手掛けた。
いじわる木枯らし 吹きつける
古いセーター ぼろシューズ
泣けてくるよな夜だけど
ほっぺをよせてともしょましょう
心の窓にともしびを
ホラえくぼが浮かんでくる
でしょう 後略
・-トップページに戻る―・