2021.07.01
2021.7.9刊行の東武朝日新聞に「第28回彩染織美術館」についての記事が掲載されました。
彩きもの学院(本部/さいたま市)の第28回彩染織美術館が6月9日~12日迄、東京日本橋で開催された。今回は特別展示として「丹後ちりめん300年記念展」を開催。丹後ちりめんの生産の始まりは1720年、京都西陣で技法を会得した絹屋佐平次が丹後の地に於いて独自の風合いをもったちりめん織りに成功、丹後一帯の機屋に広く伝授したことが元年とされている。また、会場では日本最古の織物である『丹後藤布』も紹介。技術技法を継承する『遊絲舎』の小石原将夫さんによる製作工程についての実演が行われ、大勢の来場者が興味深く話を聞き入っていた。藤布は古事記に神話が記され、万葉集に詠われる日本最古の織物。藤の蔓を乾燥・灰汁で煮出すなどの工程ののち繊維を取り出し手作業で糸を績む藤布は、摩耗や通気性に優れ、清涼感ある風合いが特徴。しかし、江戸中期頃には木綿の普及に伴い衰退し、昭和に入る頃には日本から消滅したものと考えられていたが、昭和37年の国の民俗資料調査により、丹後の山深い里「世屋」で織り継がれていることがわかった。現在は、丹後の『遊絲舎』でこの藤布の技術・技法を継承し、現代の織物と融合した藤織りの伝統技術を守り伝える活動を展開している。京都府の無形民俗文化財、伝統工芸品に指定。
東武朝日新聞 2021.7.9 より
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