着物を着る機会の減った現代では、「着物の着付けを行う際に必要なものがよく分からない」という方も多いものです。
着付け教室に通う場合、必要な小物の貸し出しを行っているところも多いため、最初から全てを揃えておく必要はありません。
ですが、スムーズに着付けを学んでいくためにも、必要となる小物は予め把握しておくことが望ましいでしょう。
こちらでは、着付けに必要となる12 のアイテムを紹介します。
目次
まず気を付けたいのが下着。着物を着る際、通常のワイヤー入りブラジャーを使うのはNG。ワイヤー入りのブラジャーを使ってしまうと、着物を着た後に胸の部分が帯の上に乗っかかるような形になってしまうのが美しくないからです。
出来れば、ワイヤーの入っていないスポーツブラジャーや和服に合わせて作られている和装ブラジャーを着けていくのが望ましいです。ショーツも同じように、着物を着た後で身体のラインに影響が出るようなものを避けることを心がけましょう。
次に着物の下に着けるための肌襦袢と裾除けです。直接肌に触れることになる肌襦袢と裾除けは、着物を着て快適に過ごせるかどうかを左右するほど重要な召し物。その肌触りや汗の吸収能力次第で着心地は大きく変化します。
肌襦袢や裾除けが用意できない方は、その代用品として浴衣スリップを使うことも可能です。あるいは、肌襦袢代わりとして生地の薄いキャミソールを用い、裾除けの代用品としてペチコートなどを使うことも。
他に、長襦袢と半衿も必要となります。これらは肌に直接着物が触れることを防ぎ、着物を汚さないように配慮して着こむアイテム。
市販品の中には最初から長襦袢に半衿が縫い付けられているものもあるので、そちらを選べば半衿を縫い付ける手間を省くことができます。
衿芯は、衿をピシッと立てるために長襦袢の半衿の中に入れて使用するアイテムです。浴衣を始め、ごく一部の特殊衿のものを除いて、ほとんどの着物で使うことになります。
さまざまな材質のものがありますが、衿の抜きを出来るだけ綺麗に整えたい方には綸子の衿芯がおすすめです。
着付けの際に必ず必要となるのが、着物や長襦袢を留めるための腰紐です。最低でも五本程度は用いることになります。
ただし、着付けにコーリンベルトやゴムベルトなどを用いる場合は、5本以下で済むことも。
長襦袢で一本、着物で一本必要となる幅の広い腰紐が、伊達締めです。長襦袢や着物の総仕上げとして使われ、腰紐で留めた際に生まれる余分な生地を平らに整え、面の力でしっかりと押さえてくれます。
伊達締めは着付けを行う人によって使用する本数が異なる場合もあるので、出来れば事前に何本必要か聞いておくのが好ましいでしょう。
帯枕は帯の形を作り、帯を支える上で重要な役割を果たす小物の一つ。こちらも、着付けの際には必ず必要となります。
長さや高さは商品によって違いがありますので、自分の使いやすいものを選びましょう。長く使うものなので、出来るだけ丈夫で長持ちするものがおすすめです。
帯の上から垣間見える布地が帯揚げ。
主に帯枕のガーゼを隠す役割であると同時に、帯の装飾として使用します。色の融通が利くので自分が着物を着る場所や好みに合わせてコーディネートすることのできる余地が残る部位でもあります。
帯の下にはめ込むプラ製の板。帯表面のハリを出すのに使用します。
振袖などで帯の結び方をアレンジする場合は前板と後板で二枚使うこともありますが、基本的に一枚用意してあれば問題ありません。
帯を結んだ後に、帯の上から巻いてキュッと締めるのに用いるのが帯締めです。
着物の雰囲気を大きく変える小物なので、オシャレしたい方は色や柄に拘ってみてはいかがでしょうか。ただし、留袖や色留袖を格式高く着用する場合は、白か金銀のどちらかを選ぶ必要がある点には注意しましょう。
タオルは着物を着る際に身体の凹凸を整えるのに使用します。基本的に細身の方は5枚、少々ふくよかな方は3枚程度あれば足りるはずです。
着物が透けてしまうと中のタオルが見えてしまう恐れがあるので、出来るだけ無地の白いものを用意することを心がけてください。
足袋は着物を着用する際に必ず履くことになる小物です。
デザインはさまざまなものが用意されているので、場所を考えてお好みのものをチョイスすると良いでしょう。ただし、格式高い場所で着物を着る場合には、白を基調としたものを選ぶのがマナーとなっている点には気を付けましょう。
・各アイテムはいずれ必要になるもの
着付けに必要なアイテムは多岐にわたるため、最初は揃えるのも大変でしょう。しかし、消耗品はほとんどなく、どれも一度購入してしまえば長い期間使えるものばかり。
着付け教室で指導を受けたり、実物の使い方を教えてもらってから購入するのも良いですが、教室に通う前にある程度必要なものを理解し、揃えておくと、知識としての定着率も変わります。
❖ 関連項目
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