2024年8月9日「東武朝日新聞」に、松戸校・小林講師へのインタビューが掲載されました。
きもの文化のすそ野を広げていきたい
教師一家で育った幼少期
子どもの頃から自立することを促された環境で育った。両親ともに神奈川師範学校(横浜国立大学・教育学部の前身の一つとなった師範学校)を卒業後、神奈川県の小学校に赴任したことから、川崎市で一時期を過ごしていた小林さん。その後、祖母の病気看護を機に、父の生家(千葉県夷隅郡御宿町)で過ごすことになった。当時としては珍しい"かぎっ子"だった小林さんは、子どもが家事を手伝うことが当たり前の家庭だった。夕方になると、決まって姉と一緒に釜土で火を起こすことが日課だ。それを見ていた近所の人からは、珍しい家庭として特別な目で見られていたという。田舎ということもあったが、専業主婦が一般的な時代だったからかもしれない。気の毒がる大人たちを尻目に姉妹で家事を楽しんでいたという。
母は「我が家はお金持ちじゃないから、お嬢さんとして育てることはしません。社会に出たら男性と対等に仕事をしていかなければいけません」と言われたこともあった。自立の目が芽生えたのはこんな環境に置かれていたからなのかもしれない。小林さんは両親の姿を見て学校の先生になることを自然に意識するようになったという。姉と弟も教師の道を選んだ。
大学3年生の時に着物デビュー
着物との出会いは姉の結婚式のときだった。大学3年生の小林さんは大学で家政学を専攻していたので、自分で作ったワンピースを着て出席するつもりだった。ところが、それを知った父は、母に「典子には着物を着せてあげなさい」と話してくれて、思いがけない遅咲きの着物デビューが訪れた。この時の経験は懐かしくも嬉しかった思い出として、今でも父に感謝していると振り返る。(続)
小林 典子(松戸校講師)(コバヤシ・ノリコ)
彩きもの学院・松戸校所属講師。
関連項目
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