2025.12.22
入学式は、お子様にとって新たな一歩を踏み出す大切な節目です。
母親としてどのような装いを選ぶか悩まれる方は多く、「着物を着ても良いのか」「どの種類や色柄がふさわしいのか」といった疑問もよく寄せられます。
そこで本記事では、入学式にふさわしい着物の選び方から、色柄・小物・ヘアアレンジ・当日の準備まで解説します。初めて着物で入学式に参加するお母様でも、安心して準備を進められるようポイントを分かりやすくお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。
ここでは、入学式で着物を着る際の和装マナーと着用の是非について解説します。
着物を選ぶメリットは、晴れの日にふさわしい上品で華やかな印象を与えられる点です。着物は写真映えもよく、記念に残る装いとなるほか、卒業式や結婚式など幅広い行事でも活用できます。一方で、デメリットとしては着付けに時間がかかることが挙げられます。また、保管が手間だと感じる方もいますが、レンタルを活用すれば手軽に楽しめます。
入学式の母親の服装として洋装が定番となった理由は、着付けの手間がなく動きやすいためです。セレモニースーツは準備も簡単で、天候にも左右されにくく安心して過ごせます。
和装を選ぶ際は、主役であるお子様より目立たないことを意識しましょう。派手すぎない落ち着いた色柄を選び、式典の格に合わせた装いを心がけることが大切です。
入学式では、準礼装や略礼装にあたる着物を選ぶことがマナーとされています。訪問着や付け下げ、色無地、江戸小紋などを選び、帯は袋帯を使い二重太鼓に結びましょう。また、長襦袢や半衿は白か淡い色、足袋は白が基本です。着物と帯、小物の格を揃えることで統一感のある装いになります。
入学式の母親の服装に関して、学校側のルールや雰囲気を確認したい場合は、先輩保護者や学校関係者に服装傾向を直接聞くことがおすすめです。特別な規定がない学校が多いですが、地域によって着物の着用率が異なるため、事前に周囲の傾向を把握しておくと安心して当日を迎えられます。
ここでは、母親のふさわしい入学式の着物の格と種類について解説します。
着物の格は正礼装、準礼装、略礼装の3つに分類されます。正礼装は、黒留袖など最も格式の高い装いです。準礼装は色留袖や紋付の訪問着、略礼装は紋のない訪問着や付け下げ、一つ紋の色無地などが該当します。入学式では母親は見守る立場のため、準礼装または略礼装を選ぶことがマナーとされています。主役はお子様であることを意識し、華やか過ぎない格の着物を選びましょう。。
訪問着は、留袖に次ぐ格の着物です。着物全体が一枚の絵のようになっていて、紋を入れれば準礼装、紋がなければ略礼装となります。未婚既婚を問わず着用できる着物で、入学式や卒業式、結婚式など幅広い場面で活躍します。最近、紋のない訪問着が主流でデザインの選択肢も多いため、場面に合わせた上品な一枚を選びやすい点も魅力です。
訪問着以外にも、付け下げ・色無地・江戸小紋は入学式に適した着物です。
付け下げは訪問着を控えめにした略礼装です。色無地は一色で染めた絵柄のない着物で、一つ紋を入れることで略礼装となります。江戸小紋は細かい柄が特徴で、江戸小紋三役や五役に一つ紋を入れてあれば入学式にもふさわしい装いとなります。それぞれの着物に特徴があるため、自分の好みや年代に合わせて選ぶとよいでしょう。
着物の格は、紋が多いほど格式が高くなり、五つ紋は正礼装、三つ紋は準礼装、一つ紋は略礼装として扱われています。入学式では母親は見守る立場のため、格式が高すぎない一つ紋または無紋の着物を選びましょう。訪問着であれば紋がなくても略礼装として着用できるため、最近は無紋の訪問着を選ぶ方も増えています。
入学式のようなフォーマルな場では、カジュアルな着物は避けなければいけません。例えば、小紋は普段着用の着物なため、入学式には格が合わずカジュアルな装いになってしまいます。
紬も同様にカジュアルな着物なので不向きですが、一つ紋を入れた江戸小紋三役や五役であればフォーマルな場にも着用できます。格式を意識した着物選びで、式典にふさわしい装いを心がけましょう。
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ここでは、入学式に似合う色・柄の選び方と季節感の演出方法について解説します。
母親の入学式の着物には、春らしい淡いピンクやクリーム色、水色、薄紫、若草色などの優しく明るい色合いがおすすめです。一方、赤や黄色などの原色、ビビッドなピンクやオレンジなどの派手な色、黒や濃い色は重たい印象になるため、入学式には避けた方が無難です。
入学式の着物には、縁起の良い吉祥文様をポイントとして上手に取り入れるとよいです。例えば、松竹梅・菊・牡丹・鶴・熨斗・扇・宝尽くしなどの古典柄は、控えめにあしらうだけでも晴れの日らしい華やかさが加わります。
また、季節感を出したい場合は、桜や梅など春の文様を袖や裾まわり、帯のワンポイントとして取り入れると、上品で柔らかい印象になります。
着物の柄は、大きさや配置によって印象が変わります。例えば、大柄なものや柄が多いものは華やかですが、入学式ではやや目立ちすぎるため控えるとよいです。
また年齢によっても似合う柄が異なり、20代は明るい色で華やかな柄、30代はやや落ち着いた色柄、40代はシンプルで品のある柄が適しています。柄の配置も重要で、裾や袖に控えめに配された柄は上品で洗練された印象を与えます。
着物には季節を先取りして着用するというマナーがあります。ただし、入学式は4月に行われるため、春の柄であれば問題ありません。着物そのものにも季節ごとの決まりがあり、4月は袷の着物が一般的です。単衣や絽などの夏物は季節外れとなるので、入学式では避けましょう。
卒業式で着た着物を入学式でも着る場合、春らしい淡い色で季節を選ばない古典柄の訪問着がおすすめです。派手すぎない上品な色柄を選べば、どちらの式典にも対応できます。
また、帯や帯揚げ、帯締めによって印象が変わるので、帯を明るめの色に変える・帯揚げや帯締めを春色に統一するなどの工夫で新鮮な装いを楽しめます。
ここでは、40代ママのための入学式着物選びのポイントについて解説します。
40代ママが入学式で着る着物を選ぶ際は、落ち着きと上品さを兼ね備えた着物がおすすめです。訪問着や付け下げ、色無地、江戸小紋などが適しており、色無地の生地の高級感や地紋の美しさが引き立ち、年代にふさわしい品格を演出できます。落ち着きすぎると感じる場合は、柄の数や色味が少ない訪問着を選ぶと華やかさが加わります。
40代は体型の変化が気になりやすい年代ですが、適切な補正で美しい着姿を作れます。和装ブラジャーや補正用品を活用し、ウエストや胸元の段差をタオルで整えたり、背中の凹凸を軽く補正して直線的なシルエットを意識したりするとよいでしょう。また、着付けに自信がない方は、プロに依頼すれば体型に合った補正を施してもらえて、すっきりとした着姿に仕上げられます。
40代向けの肌映りを意識した着物の色選び方法としては、ベージュやライトグレー、薄い黄色などの派手すぎない明るい色を選ぶと良いです。明るい色は顔映りがきれいに見え、くすみを抑えて表情を明るく見せてくれます。また、肌が黄み寄りの方はコーラルピンクや薄橙などの暖色系、肌が青み寄りの方はラベンダーや水色などの寒色系を選ぶと、肌が自然にトーンアップして顔色をより美しく見せられます。
40代ママが入学式用の着物を選ぶ際は、着物自体はシンプルなものを選び、帯や帯締めにアクセントを付けることがおすすめです。例えば、淡い色の着物に淡いゴールドの帯を合わせたり、帯締めだけ差し色の若草色や薄紫を取り入れたりすると、落ち着いた着物に華やぎを添えられます。草履やバッグも含めた全体の統一感を意識することも大切で、同系色でまとめると上品でバランスの良い装いに仕上がります。
40代ママが入学式で着物を着る際は、派手すぎる柄は避け、落ち着いた色合いで品のある着物を選ぶことが大切です。また、以前仕立てた訪問着がある場合でも、20代や30代の頃に似合っていた一枚が、40代ではしっくりこないこともあります。年齢と共に似合う色柄や雰囲気は変化するため、お手持ちの着物を着用する予定がある場合は、早めに確認しておくと安心です。
ここでは、入学式で母親が着物を着る際の小物使いのポイントを解説します。
母親が入学式で着物を着る際は、袋帯を用いるのが一般的です。袋帯は格の高い帯で、訪問着や付け下げとの相性が良いとされています。色無地の場合は、袋帯のほかに名古屋帯を合わせることも可能です。結婚式では金糸・銀糸が多く使われた華やかな袋帯を選びますが、入学式では控えめで落ち着いたデザインのものが主流です。
帯揚げや帯締めは着物や帯とのバランスを考えて選びましょう。着物と同系色で合わせると落ち着いた印象に、反対色を選ぶとメリハリのある印象になります。また、帯揚げは綸子や縮緬などの素材で金銀が施されたものがおすすめです。帯締めは丸ぐけや帯揚げと調和する色合い・デザインのものを選ぶことで、全体の統一感が生まれます。
帯留めは必須ではありませんが、桜モチーフや淡い色合いの小ぶりなデザインを取り入れると季節感や個性を演出できます。ただし、入学式では派手すぎない上品なデザインを選ぶことが大切です。小物の色味を着物や帯と調和させながら、全体の雰囲気を損なわない範囲で取り入れましょう。
帯締めや帯揚げは、基本の結び方を押さえるだけで上品な印象になります。帯揚げは、手先をふんわりまとめる定番の結び方が入学式向きです。帯締めは、本結びや銀杏結びなど端正な形を選ぶとフォーマルな装いによく合います。母親が入学式で着物を着る際は、華やかすぎるアレンジは避け、落ち着いた結び方を意識すると良いです。
草履やバッグ、羽織といった小物は、着物や帯の色に寄せて選ぶと全体に統一感が生まれます。淡い色の着物であれば、小物も同系色でまとめると上品で落ち着いた印象になります。金具や質感のトーンを揃えるだけでも仕上がりが整い、式典にふさわしい装いになります。
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ここでは、母親として着物に合う髪型・ヘアアレンジと注意点について解説します。
和装には伝統的な和髪スタイルが定番ですが、最近ではシニヨンやゆるめのまとめ髪など、モダンなアレンジも人気です。例えば、夜会巻きではきちんと感があり落ち着いた雰囲気に、ゆるめのシニヨンなら柔らかさが加わり上品な印象に仕上がるなど、髪型によって印象は大きく変わります。入学式では派手すぎない仕上がりを意識し、着物とのバランスを整えることが大切です。
髪の長さ別おすすめヘアスタイルは以下の通りです。
| 髪の長さ | おすすめスタイル | ポイント |
| ショート | ・毛先を少しカール ・サイド編み込み ・前髪のみカール | すっきりと整い、和装でもバランスが取りやすい。控えめなアレンジで上品に仕上がる。 |
| ミディアム | ・シニヨン ・夜会巻き風アップ ・トップ〜サイドを編み込み→お団子にまとめる | 崩れにくく、柔らかい雰囲気に。フォーマル感と軽やかさを両立できる。 |
| ロング | ・夜会巻き ・サイド編み込み→襟足でまとめる ・低めのまとめ髪 | 長さを生かしつつ上品にまとまる。落ち着いた式典向けのシルエットが作りやすい。 |
髪飾りは、着物の色や柄に合わせて選ぶと良いです。華やかな着物には華やかな髪飾りを、シンプルな着物には控えめな髪飾りを選ぶと全体のバランスがよくなります。また、入学式ではつまみ細工やコーム、べっ甲のかんざし、玉かんざしなどシンプルで上品なものを合わせることで、華やかさが加わり晴れの日にふさわしいアクセントになります。
入学式でマスク着用が必要な場合などは、サイドの髪を耳にかけたり編み込みにしたりして、顔に髪がかからないように工夫すると清潔感が出ます。また、髪飾りの色や柄をマスクと合わせると全体の雰囲気が浮かずに自然と馴染みます。
入学式で着物を着る際は事前の準備と当日のスケジュール管理が大切です。着付けには一般的に30分から1時間程度かかり、ヘアメイクも含めると1時間から2時間ほどの時間をみておくと安心です。また、着物の種類によって所要時間は異なり、黒留袖や色留袖などの着物は30分から1時間半程度が目安となります。着付けに必要なものはすべて事前に準備し、入学式当日は時間に余裕をもって行動しましょう。
入学式の着物選びでは、母親として主張しすぎない上品さと晴れの日にふさわしい華やかさのバランスが大切です。
訪問着や付け下げ、色無地など準礼装・略礼装にあたる着物を選び、淡い春色や控えめな古典柄で季節感や品の良さを演出しましょう。また、小物や帯の格を揃えること、髪型を清潔感のあるスタイルにまとめることなど、トータルでの統一感が仕上がりを左右します。
当日はヘアメイクや着付けに時間がかかるため、余裕を持ったスケジュールで臨むことも重要です。お子様の晴れの日がより思い出深いものとなるよう、ご自身に合った一枚を選び、堂々と美しい着姿で入学式を迎えてください。
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