彩・きもの通信

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彩の歳時記 令和4年2月

2022.02.01

願わくば 花の下にて 春死なん その如月の望月の頃

「できれば2月の満月の頃、満開の桜の木の下で死にたいもの」

—西行【1118 – 1190】

釈迦入滅は2月15日(旧暦は三月中旬)、平安歌人・西行は同じ日に桜の花の下で死にたいと願い、思いを果たしました。実際は2月16日。望月は満月の事で満たされる事の譬(たと)へ。三人の娘を天皇や皇太子の后として摂関政治の頂点を極めた藤原道長【966~1027】の「この世をば わが世とぞ思ふ望月の 欠けたることもなしと思へば」は有名。春を待つ真冬の夜空は澄んでいて、月が一際、美しく観えます。今年の二月の満月・望月(スノームーン)は17日、月は何処にいても人と共有できる存在。同じを同じ時間に観ながら、今は会えない人たちと想いを重ねたいものです。

2月の暦

如月(きさらぎ) ()(さら)きと書き、草木が生き()える早春月の意味。寒さが厳しいので()(さら)()とも。

1日 テレビ放送記念日 

昭和28年(1953)、日本初のTV本放送が開始。半世紀以上が過ぎ、TVに代わり新しいメディアが多く登場している。

3日 節分

 「季節を分ける」日。本来は春夏秋冬全てにあるが、現在は春の節分だけをこう呼ぶ。かつては大晦日的な意味合いでの「豆を撒いて難を追い払う追儺(ついな)・鬼やらい」「豆まき」として伝わっている。
巻寿司を恵方(今年は北北西)に向いて一気にかぶりつき食べる習慣は幸福や商売繁盛の運を一気にいただき縁を切らないに由来。

4日 立春【二十四節気】

春立つ日。禅寺では門に『立春大吉』の紙を貼る。縦書き文字が左右対称になるので鬼が家に入ってきても、外から見えていた文字と内からみえるのも同じなので「まだ家の外か」と勘違い、出て行ってしまうという言い伝えから「一年間の厄除けの呪(まじない)」に。

11日 建国記念日

国民の祝日 1967年から。紀元節(きげんせつ)「神武天皇の即位日」として戦後廃止されていたが、建国の日ではなく建国を記念する日として「紀元節」のイメージを抑えた。

12日 菜の花忌

戦国時代や幕末などの人気歴史小説家、司馬遼太郎[1923~1996〕の忌日。

好んだ「菜の花」に因む。生誕地、大阪に記念文学館。「梟(ふくろう)の城」直木賞。「竜馬が行く」「国盗り物語」「菜の花の沖」など。第26回司馬遼太郎賞授賞式。

14日 聖バレンタインデー

元はキリスト教の記念日。女性から男性に恋を打ち明けてもよい日とされ、愛の印にチョコレート贈る習慣が菓子業界の商戦と共に盛んに。

15日 涅槃会(ねはんえ)  

釈迦三大法会の一つ。釈迦の忌日。宗派により供養の形は違うが、現在は月遅れ(3月15日)の行事とされることが多い。自覚し自ら生き抜こうとする青年を祝いはげます。

16日 西行忌

元は北面の武士花鳥風月を愛し、自分の生き様と心象を自由奔放に歌った天才歌人の忌日。京都東山に終焉の地といわれる「西行庵」が再建されており茶室などがある。

19日 雨水(うすい)【二十四節気】

空から降るものが雪から雨に変わり、氷が溶けて水になる。

23日 天皇誕生日

1960年(昭和35年)現在の天皇(当時の皇太子 浩宮徳仁親王殿下) が誕生なされた。即位は2019(令和元)年5月1日。

2月の歌 『灯台守

曲 リチャード・S・ウィリス
日本語詞:勝 承夫

1947年に小学校音楽教科書「五年生の音楽」掲載。原曲は讃美歌で歌詞・番号は歌集により異なる。勝承夫(かつよしお)【1902~1981】は、東京出身の詩人。元日本音楽著作権協会会長。元東洋大学理事長。現在、日本の灯台の数は3,300あまり、最古は明治2年(1869)の観音埼灯台で現在も稼働、また日本最強光の灯台は犬吠埼灯台、足摺岬灯台。広大な海を高台から見渡せる灯台は絶景の宝庫。昼は白い建物と青い空と海のコントラスト、夕方は真っ赤な夕日と変わる表情が魅力的。

こおれる月かげ空にさえて
ま冬のあら波 寄する小島思えよ灯台 守る人の
尊きやさしき 愛の心
はげしき雨風 北の海に
山なす荒波 たけりくるう
その夜も灯台 守る人の
尊きまことよ 海を照らす


彩の歳時記 2022年1月

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