彩・きもの通信

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彩の歳時記 令和4年4月

2022.04.01

散るという 飛翔(ひしょう)のかたち花びらは ふと微笑(ほほえ)んで 枝を離れる

俵万智【1962~】


揺れる春、変化の季節。花や鳥、空気の新しさを覚え、青空に浮かぶ桜花に目を奪われる4月。桜も4月上旬には桜吹雪を経て、道を桜色に染め上げ花見が終わります。世界情勢や人の心もざわざわと忙しい時だからこそ、ちょっと立ち止まって自分の居る場所を見つめ直し、新しい何かを探してみたいですね。

月の暦

卯の花の咲く月で卯月(うづき)枝先いっぱいに群がるように咲く純白のウノハナ。豆腐のしぼりかす(おから)料理はこの白い小花の咲いている姿に由来。

宇能花の共にし鳴けば ほととぎす いやめずらしも名告りなくなへ 大伴家持【万葉集】

1日 新会計年度

明治17年、貴族の女子の厄除けと健康祈願の祝としての平安時代から続く。「桃の節句」後、庶民にも定着、明治17年、富国強兵の軍事費が激増を受け、当時の大蔵卿・松方正義が任期中の赤字削減のため、次年度の予算の一部をその年度の収入にし、赤字を隠蔽するため三か月分を早く繰り越し、会計年度を4月にしたと言われる。学校制度もそれに準じた。。

2日 連翹忌(れんぎょうき)

 

詩人・彫刻家・高村光太郎【1883~1956】の忌日。高村の家の庭に咲く連翹の花を大変愛し、告別式で棺の上に一枝が置かれていたことに由来。西郷さんの銅像で有名な高村光雲の長男として台東区東上野に生まれ、東京芸大美術学部彫刻科を卒業、在学中に与謝野鉄幹主宰の『明星』に短歌・詩などを寄稿。ニューヨーク、ロンドン、パリに留学、ロダンに傾倒し彫刻・絵画の制作、北原白秋の「パンの会」にも参加、第一詩集『道程』[僕の前に道はない僕の後ろに道は出來る、ああ自然よ父よ・・]を刊行、第一回帝国芸術院賞。洋画家・長沼智恵子と結婚、死別後に出版した詩集智恵子抄は映画、テレビ・ラジオドラマ小説、戯曲、能、オペラ、歌謡など1960年代、多くの創作の素材になった。

5日 清明(せいめい)【二十四節気】

 春先の清らかで生き生きとした明るい様子「清浄明潔」の略。

8日 潅仏会(かんぶつえ)

仏教の開祖・釈迦の誕生日とされる日、釈迦の立像に甘茶をそそぐのは釈迦の誕生時、八大竜王が喜びのあまり甘露の雨を降らせた事に由来。

灌仏会 蔦の若葉も あゆみそめ    加賀千代女【1703~1775】

日 虚子忌

明治・大正・昭和の俳人・小説家、高浜虚子【1874~1959】の忌日。明治期の総合文芸誌として大正・昭和初期には保守俳壇の最有力誌の俳誌『ホトトギス』を主宰し、多くの優れた俳人を育成した。理念は「客観写生」「花鳥諷詠」。今年2月に逝去した稲畑汀子【1931~2022】は名誉主宰、日本伝統俳句協会会長。息子の稲畑廣太郎氏が継承。明治、大正、昭和、平成・令和の 五代と続く最古の俳誌。 

風花の今日をかなしと思ひけり  虚子

20日 穀雨(こくう)【二十四節気】

春雨が百穀を潤すが、特に雨が多い時期ではない。

29日 昭和の日

昭和天皇【1901~1989】の誕生日。みどりの日(1989~2006),昭和の日(2007~)。平成が幕を閉じ、令和も4年に。

4月の歌 『遠く遠く1992年 


詞・曲 槇原敬之【1969~】

槇原が故郷に住む友人を思い「私小説的なものであまり伝わらないかもしれない」と思っていたにも拘らず反響を呼んでヒットした。

2006年版の「遠く遠く」NTT東日本CMソングで再注目され、知名度と人気を持つ曲である。2007年『まるまるちびまる子ちゃん』の同窓会スペシャルで使用された。音楽配信ではゴールド認定を受けた。

遠く遠く離れていても 
僕のことがわかるように
力いっぱい 輝ける日を 
この街で迎えたい
外苑の桜は咲き乱れ 
この頃になるといつでも
新幹線のホームに舞った 見えない花吹雪思い出す
—中略—
同窓会の案内状欠席に丸をつけた「元気かどうかしんぱいです。」と手紙をくれるみんなに
<繰返し>


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