目次
「秋風に吹かれて横に長くひき流れる雲の切れ目から 洩れてくる月の光の澄みきった美しさといったら!」
左京大夫顕輔【1090~1155】
秋の澄んだ空を流れゆく細い雲。そのダークブルーの夜空の隙間から洩れてくる月光の美しさが目に浮かぶよう。平安貴族の間では「観月の宴や舟遊び」が盛んで,,今も中秋の名月の頃には京都各所で「観月会」が催されます。東山高台寺では秀吉が伏見城で用いた「観月台=重要文化財で移築」で観月茶会を催行。東京では将軍家別邸・浜離宮で十三夜「後の月見」の観月会なども。家庭で「お月見」をすることも少なくなりましたが栗名月の十三夜に月見団子を三方に載せ、ススキを飾ったり、夜の外出時に中天に 丸く昇った満月を眺めて秋の実感を深めるのも良いものですね。
神無月
出雲大社に全国の神様が出向き不在になるので神が無い月。出雲では神在。
平安時代から続き江戸時代頃、6月1日と10月1日に。現在は官庁企業・学校で行う所もあるが、空調の発達により稀に。着物にとっては大事な節目で単衣(ひとえ)から袷(あわせ)に。
明治31年(1898)、東京市誕生。昭和18年(1943)法律により、東京府と東京市を廃し、東京都に。昭和22年35区から23区に。シンボルマークは 紋章は太陽を中心に六方に光が放たれている様を表す。都営の公共施設が無料公開。
朝露も一段と冷たく感じられ秋も深まり、木々の葉も色づき始める
白露や 死んでゆく日も 帯締めて 三橋 鷹女【1899-1972】
1966〜1999年は10月10日。2000年の祝日法改正に伴う。
1964(昭和39)年、アジアで初のオリンピックが東京で開催。
日本史上最高の俳諧師の一人で世界的に知られる独自の文学『俳句』で、最も有名な俳人「俳聖」松尾芭蕉【1644~1694】の忌日。紀行文『奥の細道』の冒頭は有名で『月日は永遠の旅人で、やってきて過ぎ去っていく年も旅人である』に表されるのは「人生は旅である」という命題。江戸初期に盛んになった俳句を、千年の歴史を持つ和歌と肩を並べるほどの芸術に高めた。時雨の句をよく詠み 「時雨忌」とも。「秋深き隣は何をする人ぞ」「旅に病んで夢は枯野をかけめぐる」「古池や蛙飛びこむ水の音 」「閑さや岩にしみ入る蝉の声」は誰もが知る名句。
風がいっそう冷たく感じられ地域によっては霜が降りる頃。
日本独自の風習で「後の月」と呼ばれる。十五夜では月の神様に豊作を願い十三夜では稲の収穫に感謝するとされる。栗・豆の収穫期であるので栗名月・豆名月。
元は古代ケルト人の収穫祭。キリスト教の「諸聖人の日」All Halloの前夜祭(All Hallo Eve)。自然界の悪霊や魔女を追い出す行事。アメリカに渡り、宗教色は薄れ民間行事に。かぼちゃ提灯や悪霊の仮装などで盛り上がる。
10月の歌 七つの子
大正10年(1921年) 児童文学雑誌『金の船』に掲載
作詞の野口雨情【1882 – 1945】は「赤い靴」「しゃぼん玉」「証城寺の狸囃子」などで知られ、作曲の本居長世【1885 – 1945】は「青い目の人形」「赤い靴」で知られた童謡の黄金コンビ。カラスを題材した曲は「カラスの赤ちゃん」「夕焼け小焼け」なども。鳥(カラス)は最も身近な野鳥で黒く大きな容姿と知能の高さから恐れ迷惑がられるが、昔から私達の生活に密着し共存してきた存在。
八咫烏(ヤタガラス)は神話において、神武天皇を大和の橿原(かしはら)まで案内したとされ、導きの神として信仰されており太陽の化身とも。「今泣いたカラスがもう笑った」「烏の行水」「烏の濡れば色」など例えや言伝も多い。サッカー日本代表のユニフォームのエンブレムは「3本足、ヤタガラス」がモチーフ。
からす なぜ鳴くの
からすは山に
可愛い七つの
子があるからよ
可愛い 可愛いと
からすは鳴くの
可愛い 可愛いと
なくんだよ
山の古巣(ふるす)に
行って見て御覧
丸い眼をした
いい子だよ
・-トップページに戻る―・