馬場あき子
「たつぷり」の雑煮を「ひとり」で食べる姿に姿勢がしゃっきりと正される一首。雑煮は地域や家庭によって多種多様で、餅も四角や丸、具は大根,人参、茸、青菜など土地の特産品を入れ、前年の収穫を感謝し、今年の豊作を願って食べる「ハレ」の食べ物。「大ぶりの椀」や「たつぷり」に、農事の伝統や文化の豊穣さを「ひとり正月」で迎える引き締まった空気感が感じられます。正月に97歳を迎える作者の馬場あきこ【1928-】は歌人、評論家、能作家、教育者、歌誌『かりん』主宰、芸術院会員、文化功労者。歴史の裏側の「女手」の意味を思想の根元とし、創作の源にしようとしました。全国の単独世帯は、2023年時点で34.0%と過去最高、新しい正月 の風景を潔く受け入れ、背筋を伸ばし新年を迎えたいものです。
目次
睦月
正月に親類一同が集まる、睦び(親しくする)の月。
(国民の祝日)「元日」は「一年の最初の日」で「元旦」は「元日の朝」のこと。
天皇が早朝に伊勢神宮、歴代の天皇が眠る山陵、四方の神々に向かい拝礼する祭祀。
天皇皇后両陛下・皇族の方々が、三権の長「衆議院と参議院の議長)・内閣総理大臣・最高裁判所長の四人」在日大使とその配偶者から新年の祝賀を受けられる儀式。
天皇皇后両陛下・皇族の方々が宮殿東庭長和殿ベランダにお出ましになり 国民から祝賀を受けられる。昨年は元日に起きた能登半島の地震により中止された。
大手町読売新聞社前~ 箱根町芦ノ湖駐車場入口までの往復217.9㎞で争われる。昨年の1・2・3位は、青山学院・城西・駒沢大学。
寒中見舞いを送る風習があり、相手の健康を気遣う言葉をしたためる。
1873(明治6)年から法律で定められた官公庁の新年最初の事務を行う日。平年は四日。今年は四日が土曜日の為、六日に。
邪気を払う七草粥を食した古代中国の「七日正月」に倣い、平安時代に始まり江戸時代に定着。春の七草「せり・なずな・ごぎょうはこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ」を入れた「粥」を食べ、息災を願う。
正月飾り等を燃やす。10日や15日に行う地方も多い。
元々は武家の行事で具足開き(鎧や兜に供えた餅を雑煮などにして食べた)で鏡餅は刃物で切ると切腹に通じると手や木槌で割り開く。
第二月曜日。1999年までは15日。日本独特の行事。民族衣装の着物を着るのは世界的に評価が高い。振袖は「振る動作」が神様を呼び起こし、厄を払い清めるので19歳で初の厄年を迎える女性が神の加護と安寧を祈願する。
衿を正す正月であり、この日がかつて「成人の日」であったことから、和装に縁のあるこの日を記念日にと京都半衿風呂敷和装卸協同組合が2001年に制定。
1995年のこの日から三十年の月日が。死者約6300人、30万人以上が被災。「防災とボランティアの日」として制定。神戸市で「1.17のつどい」を開催。
一年で最も寒い期間。寒仕込みをする時期。
詞 岡本おさみ【1942-2015】
曲 吉田拓郎【1947-】
1974年、日本ビクター創立50周年企画の一曲。累計では約130万枚を記録、1974年の日本レコード大賞と歌謡大賞のダブル受賞した。歌唱の森進一【1947-】は同年の第25回NHK紅白歌合戦で初の大トリを飾った。奇しくも紅組トリも島倉千代子の同名異曲の「襟裳岬」(1961)であった。北海道の背骨と呼ばれる日高山脈がそのまま太平洋に沈んでいくようなのが襟裳岬。
北の街ではもう悲しみを暖炉で
燃やしはじめてるらしい 理由のわからないことで
悩んでいるうち 老いぼれてしまうから
黙りとおした 歳月)を 拾い集めて
温めて温め合おう の春は 何もない春です
後略 (繰返)
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