
2024.07.19
祖母と暮らしていた頃、着物は「祖母に着せてもらうもの」でした。上京して来て、お祭りのために初めて自分で本と記憶を頼りに着た浴衣は、着心地も見た目も悪く、帰宅早々脱いだ浴衣は畳むこともできずにクリーニングに出しました。30代に入った頃、どうしても着物が着たいと色々本を読んでは手近にある着物や小物で挑戦するも、何かが違う。そもそも、基本がわからない。
祖母の世代が当たり前に身につけていた「常識」としての知識も場面に合わせ選んでくれていた着物や帯も全くわかっていないことに気づき、学べる場所を求め、彩きもの学院を訪れました。実際に学んでみるとやはり奥が深く「わかって崩すのはおしゃれ、知らずに崩れているのはただの着崩れ。知る、学ぶことはとても重要」という先生の言葉は今でも胸に刻まれています。単に着る技術だけではなく、文化や意味を学ぶことのできるこのお教室に出会えてよかったな、と思う日々です。