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白髪三千丈 愁ひに縁りて箇くの似く長し
知らず明鏡の裏 何れの処にか秋霜を得たる
「乱れて伸びたこの白髪、これも心の憂さのため、鏡に映る己(おの)が顔、どこから来たか霜のおく老いの影。」白髪三千丈は誇張した表現の形容。李白【701~762】の晩年の有名な詩の一つ。三千丈はおよそ九千メートルの表現によって愁いの深さが強調されています。白髪は自然の摂理ですが、現代は髪を染めたり、美しく整えるなど、人生の憂いや老いとも、上手に折り合いを付けつつ、歳を重ねる生き方を模索する時代、「小春日和」を持つ十一月初頭は過ごしやすく快適な季節、爽やか空間を屋内外で楽しみたいものです。
霜月(しもつき) 霜が降る月に由来。他に雪待月、雪見月 仲冬など。
炉や炬燵など暖房器具を使い始める「炬燵(こたつ)開き」。茶家では一と中の亥の日に風炉(ふろ)を閉じ、炉(ろ)を開く。口切の茶事(茶壷の封を切る)を行う。
1898年(明治31年) 東京市誕生。市役所が開設された。1952年(昭和27年)に制定。都営の公園、庭園、水族館、美術館などが無料。
「ワン・ワン・ワン」11月1日に因み、ペットフード工業会などが1987年制定。全国の飼育数は約849万頭で、2020年は前年より多く、コロナ禍の影響でペットに癒しを求めたりや家族のコミュニケーションを深めている傾向がみられる。
1948年(昭和23年)制定の国民の祝日。「自由と平和を愛し、文化を進める日」
皇居で文化勲章授与式が行われる。美術館や博物館など多くの文化施設が入場無料に。
冬立つや 背中合わせの 宮と寺 正岡子規
関東中心の鷲(おおとり)や鳥に因る寺社の年中行事。武運長久・商売繁盛の神・日本武尊(やまとたけるのみこと)を祀る鷲神社(隣に明治初年の神仏分離による長国寺)の祭礼。浅草の鳳神社の熊手や「かっこめ」は酉の市のみのお守りで神様の御分霊とされる。
春を待つ 事の始めや 酉の市
宝井其角(1661~1707)
乳幼児の生存率が低かった近代前、男子は三歳・五歳、女子は三歳と七歳まで成長することはめでたく、成長を感謝し寺社に詣でたことが始まり。男子は袴儀(はかまぎ)女子の帯解き(おびとき)など、着物由来の年中行事なので着物の日に。
江戸三大酉の市「大國魂神社(府中市) 花園神社(新宿)」も多くの人で賑わう。
一葉忌 ある年酉に あたりけり
久保田万太郎 (1889~1963)
陽射(ひざ)しが弱まり、冷え込み、落葉、平地に初雪が舞い始める。
近代女性小説家の嚆矢(こうし)、樋口(ひぐち)一葉(いちよう)【1872~1896】の24歳の忌日。鏑木清方画生誕地の千代田区の内幸町ホール入口脇に記念碑。台東区竜泉に一葉記念館。『たけくらべ・にごりえ・大晦日(おおつごもり)・十三夜』などの名作品はいずれも映画化。神奈川文学館で「樋口一葉展―わが詩は人のいのちとなりぬべき」開催中。10/2~11/28。
五穀の収穫を祝う新嘗祭(にいなめさい)、天皇が自ら栽培の新穀を供え、食し収穫に感謝をする。皇室は米(稲)に関する行事を尊び、継承し続けている。
曲:瀬川英史【1965~】
2020年のNHKテレビ小説『エール』は作曲家 古関裕而夫妻がモデル。劇中でヒロイン「音」が演奏会や最終回のシーンで歌い話題になった曲。古関裕而【1909~1989】は福島県生まれ、『栄光は君に輝く』『スポーツショー行進』『オリンピック・マーチ』『タイガースの歌(六甲おろし)』『巨人軍の歌(闘魂こめて)』、など現在も親しまれる名曲を数多く残した。「軍歌の覇王」と言われ「戦争に加担した文化人」とされたが贖罪の意味をこめて、長崎の鐘(詞・サトウハチロー)を作曲したと言われる。
暮れゆく 暮れゆく
夕焼けの空
茜や金色 落ち葉の路
はるけき旅はいつか見た雲
越えたなら会えるだろうか
過ぎし日は 刹那
懐かしき小径 優しい面影
心にともして ♪
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