江戸時代の文人・鈴木牧之の著書「北越雪譜」の中に、
「雪中に糸となし、雪中に織り、雪水に晒き雪上に晒き雪上に晒す。雪ありて縮あり、されど越後縮は雪と人と気力相半ばして名産の名あり。魚沼郡の雪は縮の親というべし。」
と詠われている越後縮が今日の越後上布であり、昔ながらの技術を現在に伝承保存しており、その技術は昭和30年5月に国の重要無形文化財に指定されております。
目次
今では珍しい家内工業「酒井織物」
生糸(きいと)を直接触って感触を確かめました。生糸の持つ美しい光沢は、精練(表層を覆っているセリシンや爽雑物を取り除く)によるものです。設計図の作成現場。
忍耐力が必要な作業ですが、絣の模様を出すための大切なものです。「手延べ」の作業。
本塩沢用の生糸を機械・道具を使わずに丁寧に延ばしていきます。塩沢紬の技術を確立させた「高機(たかばた)」
精密な織物はここから生まれます。織り上がった生地の汚れや糊を落とし、「しぼ」を出す「湯もみ」という作業。
先人の知恵から誕生した技法。
「苧績み(おうみ)」
水に浸してやわらかくした「苧麻」を爪で細く裂いて、撚りながら糸にします。塩沢織物工業協同組合にて。
塩沢の織物の歴史を丁寧にご説明いただきました。「地機(じばた)」は、機に張る経糸を腰当てに結び付け、腰の屈伸で糸の張り具合を調節しながら織っていきます。
早春の風物詩「雪晒し」
雪原に作られた晒し場に布が広げられ、2週間程かけて雪に晒すと色が落ち着き、白いものはくっきりと地風も良くなります。
間近で見れるだけでなく、今回は雪晒しを体験させていただく貴重な機会もいただきました。
老舗「田畑屋」は地元で評判の日本そば屋です。
ふのりという海草を使用した、コシの強さと舌触りの良さが特徴の「へぎそば」や揚げたての天ぷらを堪能しました。
「彩きもの学院NEWS Vol.87」