彩・きもの通信

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彩の歳時記 令和5年1月

2023.01.01

水仙のうつむき加減やさしくて ふるさとふいに思う一月

俵万智



古代、地中海からシルクロードを経て、海流に乗って日本に流れ着いたと言われる。
冬に咲く花、水仙、花言葉「うぬぼれ」福井県花。ギリシャ神話の美少年ナルシスは池に映る自分の美しさに恋し、池に落ち死んだとされる「ナルシスト」の語源。
水仙の学名「ナルキッソス」は、「池を覗き込むように咲く姿」「ナルキッソスが落ちた池の端に水仙が多く咲いていた」などにロマンチックな由来があります。日本三大群生地は「福井越前海岸、千葉鋸南町、淡路島」で紀伊や伊豆なども海岸近くに。俵万智【1962~】は福井育ち、花頭を下げ辛抱強く寒さに耐える姿に勇気をもらったと。俯きつつも凛として活きる水仙のように暮らしたいものです。

月の暦

(睦月(むつき)

正月 親類知人が互いに往来し仲睦まじくする「睦まじい月」。

 元旦

国民の祝日。旦(たん)は太陽が地平線から姿を現す象形文字。

1日 四方拝(しほうはい)

早朝に天皇伊勢の神宮,山陵および四方の神々をご遙拝する一年最初の宮中(きゅうちゅう)祭祀(さいし)


2日 初夢

二日の夜みる夢。七福神の宝船の絵を枕の下に置き「長き夜の遠の睡りの皆目醒め波乗り船の音の良きかな」という回文歌を三回唱えて寝るとよい初夢を見られるという。


2日 新年一般参賀

三年ぶりに催行。天皇皇后両陛下・皇室の方々が午前と午後。に数回、 宮殿のベランダで参賀者の祝意に応えられる。成年皇族となった愛子さまも参加される。

2日 第99回箱根駅伝

マラソンの父と言われる金栗四三【1891~1983】らの「世界に通用するランナーを」の思いから1920年、早大、慶大、明大、東京高師が2月14日に第1回大会の 「四大校駅伝競走」の名称でスタートした。今年は「駒澤大vs青山学院大」が注目。


5日 官庁御用始め

昨年の仕事納め12月30日、今年の仕事始め:1月4日。

          

6日 小寒(しょうかん)【二十四節気】

寒さがまだ最大でなく「寒の入り」。年賀状を出し忘れたら「寒中見舞い」を。

小寒の氷、大寒に解くといい大寒よりも寒いこともあり、これからが最も寒い時。

7日 七草(ななくさ) 

一年の最初の節句「人日の節句」七草の若芽を食べ、生命力を取り入れ無病息災を願う。
せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ」。

8日 正月事納め・()()(ちょう)

正月の行事・注連飾り( しめ かざ  )などを終える。10日や15日に行う地方も多い。


9日 成人の日

新成人を祝福して大人への自覚を促す日。2022年4月1日からは、成人年齢が18歳に。 


11日 鏡開き

正月に供えた鏡餅を割って食する年中行事。元は武家の行事で刃物で切ると切腹のようだと手や木槌(きづち)で開くように割った。お汁粉にするのが一般的。


14日 歌会始

明治初年から恒例の宮中正月行事。天皇陛下の御製、皇后陛下の御歌をはじめ成年皇族方・召人・選者・一般詠進者の入選歌が読み上げられる。今年のお題は「友」。


15日 小正月

元日の大正月に対して。忙しかった主婦をねぎらう意味で「女正月」とも。


15日 防災とボランティアの日

1995年、M7.3の阪神淡路大震災が発生。死者6300人、30万人以上が避難。ボランティア活動が活発化し、「日本のボランティア元年」と言われた。


15日 大寒(だいかん)【二十四節気】

一年は二十四(にじゅうし)節気の「立春」から始まり「大寒」で終わる。厳寒中に春の兆しが。


1月の歌 七つの水仙 』 

1960年 ブラザース・フォア (The Brothers Four)

B・Fはアメリカのフォーク・グループで、1960年「グリーンフィールズ」やジョン・ウェイン主演映画『アラモ』の曲「遥かなるアラモ (The GreenLeaves of Summer)」がアカデミー歌曲賞候補のヒットで人気グループに。日本でも多くの大学生四人組がカレッジフォークグループを組み、カバーして「フーテナニー=観客参加型コンサート」でよく演奏し合唱された。  

I may not have mansion,
I haven’t any land Not even a paper dollar to crinkle in my hands
But I can show you morning on a thousand hills
And kiss you and give you seven daffodil

僕には豪邸も土地もない。
手に皺くちゃの紙幣一枚さえ無いけれど、
千の丘に降りそそぐ朝を君に見せてあげられるよ。
そして、くちづけと七つの水仙の花をあげよう。


彩の歳時記 2022年12月

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