彩・きもの通信

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彩の歳時記 令和6年7月

2024.07.01

—池上納涼 高啓—

画欄斜度水螢光 荷葉荷花各有香

団扇不揺風露下 秋応先借一宵涼

<画欄 斜めに度(わた)る 水螢の光 荷葉荷花 各々香有り
団扇揺(うご)かず 風露の下 秋は応に先づ 一宵の涼を借すなるべし>

「きれいな欄干の前を斜めに飛び渡る水辺の螢、蓮の葉も蓮の花も、それぞれが香り高い。風露蕭蕭の下、団扇を動かさないのは、秋が一夜だけの涼味をいち早く貸してくれたからか。」


 昼間の暑さの後、夕暮れの一抹に感じる夏の涼しいひと時、そんな時の流れを感じる事もなく、冷房空間を求め屋内に入ってしまう現代、漢詩や古典に限らず、ほんの二十年前の感覚が通用しない昨今、「時代と合わない!」と受け入れられない事も、心の中でイメージを広げられるのが人間の能力。この想像のその能力が文学に永遠の命を与え、二千年以上も昔の中国の詩が理解できるのです。

 時代がどれだけ変化しても「風に秋の訪れを知る感覚」を保ちたいもの。暑い時期 でも、蛍や蓮を見たり日陰や日沈後の水辺で、すっと渡る風で息抜きするのもいいですね。

月の暦

文月:(ふみづき)昔は七夕に書物を干す行事があり書物(文)をひらく(披く)文披(ふみひろげ)(つき)

1日 山開き、海開き 

全国各地で日程は異なる。登山は信仰行事で、昔は平日の登山は禁止、夏の一定期間だけ禁が解かれた為。海開きは、安全に遊泳できるかが基準。富士山(吉田ルート)は、一日4000人の規制や今年から通行料金2000円が義務化。

1日 半夏生(はんげしょう)【雑節】

半夏「烏柄杓(カラスビシャク)」という薬草が生える頃。田植えを終え稲の根が蛸の足のように大地に根づくよう祈願しを食べる地方の風習が近年、全国的に。
無月(なつき)(うづき)


9~10日 ほうずき市

浅草寺四万六千日。一日で46,000日分の御利益と言われ、人で溢れる。「ほおずきの実を水で鵜呑みすれば、大人は持病が、子供の癪が去る」の民間信仰がある。



7日 七夕(たなばた)の節句 

中国由来の「七夕」と日本の仏教行事盂蘭盆(うらぼんえ)」が結び着いた行事。「盆の夜に此世に帰る祖先の慰霊の為、衣を織る「棚機女(たなばため)説話」が起源。仙台七夕など旧暦7月に月遅れで祝う地方も多い。織姫彦星伝説も中国伝来の物語。


7日 ゆかたの日 

1981年制定。昔から七五三や成人式、結婚式など大切な節目に和服で正装したことに因む。正装は「私はあなたのことを大切に思っている」の意味から和服を装う。



7日 小暑(しょうしょ)二十四(にじゅうし)節気(せっき)

夏至から15日目。今年は七夕と同じ七日。陽射しも強く夏らしく。



15日〔第三日曜日〕父の日

(第三月曜日)「海の記念日」が平成8年から国民の祝日に


 

20日 大暑(たいしょ)【二十四節気】

東京ミッドタウンでは打ち水でヒートアイランド現象の緩和、日本古来の涼を取る風習を体験するイベントを開催。


24日 土用丑の日

土用は「立夏・立秋・立冬・立春」前の18日間で、その丑の日。暑さ極まり体調維持にが推奨されたのは平安時代からで、大伴家持【718-785】の歌からも窺い知れる。

石麻呂に 吾れもの申す 夏痩せに よしといふものぞ 鰻とり食せ」万葉集


27日 隅田川花火大会 

享保大飢餓の犠牲者慰霊の「両国の川開き」が起源日本最古の花火大会。国内最大級20000発の競演。


7月の歌 恋は水色1967

歌唱 ヴィッキー【1949- 】


1960 -70年代に突出した頻度で各メディアで流れた曲であり、また現在でもイージーリスニングやBGMの定番。ポール・モーリア【1925-2006のアレンジで彼の楽団演奏のインストゥルメンタル曲で全米ヒットチャー5週トップを記録、 世界的にヒット(約500万。)日本では森山良子【1948-】等がカバーした。

青い空が お陽さまにとける
白い波が 青い海にとける
青い空は 私の恋の色
青い海は あなたの愛の色
恋は水色 空と海の色 青い空が
お陽さまにとける
白い波が 青い海にとける
青い海と 水色の空が
愛し合って 一つに結ばれる
恋は水色 空と海の色


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