彩・きもの通信

美しく着る

東武朝日新聞掲載《2022.5.13》―
世界を広げてくれた着物との出会い②

2022.05.12

2022年5月13日「東武朝日新聞」に、前号に引き続き大宮校・阿部校長へのインタビューが掲載されました。

うつ病に悩まされながらも着物に傾倒


 阿部さんは着付け教室に通っているうちに更年期障害に悩まされるようになった。うつ状態で家事が出来なくなり、怖くて外出すら出来ない生活が3年間も続いた。心配して訪ねてくれた友人が「調子はどう、元気を出して」と励ましてくれても、「何で私だけこんな状態に」と、逆に酷く落ち込んだ。それでも着付け教室に欠かさず通えたのは、このままでは駄目になってしまうという思いと着物に魅せられたということなのか。 家族も最初は「家のこともしないでふらふら外出するなんて」と否定的だったが、病気であることを理解すると「青い顔をして寝込まれるくらいなら」と協力してくれるようになった。


 少し調子が良くなってきたある日の事、教室のスタッフから「講師のインターン(助手) をやってみないか」と誘われた。はじめは断っていたが、やってみると助手の仕事は楽しく勉強になった。そのうち助講師講座、講師講座へとステップアップして着付けの勉強に集中するようになると、体調も改善傾向へ。


 着物とのかかわりが増すにつれて、今までの生活に無かった経験に驚きや喜びを感じるようになっていく。着付けの技術のみならず、着物の歴史、日本の伝統工芸、織りや染めの技術、素材、産地等々、毎日が発見の連続だった。「好きな事をやらせてもらった家族に感謝しています」と阿部さん。

《次号に続く》

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阿部 幹子(アベ・ミキコ)

彩きもの学院大宮校校長。

彩きもの学院 大宮校【阿部校長プロフォール】


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